もう一つのオレンジ

□五 雨の記憶
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「・・・どういうことだよ・・・?」

夏梨と遊子を近くの岩陰においてきた一護は少女に問うた

その少女は

一護があの雨の日 助けようとした女の子の姿をしていた

「てめぇ・・・6年前あの川べりにいた奴だろう・・・?!

 どうして虚と一緒にいる?!」

私は知っている

『6年前・・・そんな昔のことは憶えておらんが

 おまえはわしを見たことがあるのだな』

私はすべてを見た

「そうだ!!

 てめえ一体何者だ?!

 虚の手下なのか?! それとも・・・」

「一護」

「・・・凛護・・・」

一護は振り返り 私を見た

「そいつは虚だ」

「・・・・ぇ・・・」

私はゆっくり立ち上がった

「母さんを殺した・・・虚だ」

憎き相手

『ふふふ・・・

 わしの姿を見ても生きている奴がおったとは

 運の良い奴よの』

べり・・・と女の子の皮が縦に剥がれる

ズロロロロロロロ

皮が剥がれ 形が変わり 

変な人形のようになったそれは

ドプッと虚につながった

あぁ・・・そうだ

こいつが

こいつが母さんを殺したっっ!!

止めようのない憎しみが溢れる

私はグッと拳を握った

早く・・・早く殺したい

「グランドフィッシャー」

殺したくてうずうずしてると

どこからか声がした

「奴の呼称だ」

草陰からルキアが出てきた

「自らは姿を隠し首から生えた疑似餌に人の形をとらせ

 それが見えた人間・・・つまり霊的濃度の高い魂を持った人間のみを襲って喰らう」

伝令神機から出てきた紙をビッと破った

それをルキアは一護に渡した

「知名度は中の上

 ほれ こうして尸魂界のデータベースにもしっかりと記録が・・・」

「ルキア」

「・・・なんだ」

「早く 私を死神にして」

「あぁ・・・分かった」

ルキアには悪いけど

コイツがどんな奴なんてのはどーだっていい

兎に角私はコイツをぐちゃぐちゃに引き裂きたい

トンっ

ルキアが私の魂を抜き出してくれた













これで・・・やっとアイツを殺せる












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