もう一つのオレンジ

□壱弐 頼る背中
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頼ってはいけない

だって

私が頼ればきっと

きみは・・・

















頼る背中
















「はぁ・・・はぁ・・・」

「凛護・・・平気?」

「あぁ・・・なんとか」

そこらじゅう

敵だらけだった

そりゃそうか

敵の本拠地なんだから

なんとか敵から逃げ切った私たちは

ひとつの倉庫らしき所に転がり込んだ

倉庫の周りを壁で囲んで敵に勘付かれないようにする

「凛護 腕・・・」

「これくらい・・・なんてことない」

紅に指摘されて私は傷をおさえた

私の左腕は裂けて血がでている

それほど深い傷だとは思わなかったけど

血が止まらない

「・・・それより」

私は話題変換と言うように切り出した

「これからどうする・・・」

「どうするって・・・こうも敵がいちゃ・・・

 動けに動けないし・・・」

「とりあえず・・・

 ここにいればしばらくは安全だから・・・」

私が斬魂刀の解放を解かない限り

ここは見えない壁によって護られる

「それじゃあ・・・

 しばらく休もうか」

「・・・え?」

私は紅を見る

「だって他に出来る事ないじゃん

 ここは安全なんでしょ?

 それに俺も凛護もボロボロだし」

そういえばそうだと思う

ここに来るまで

たくさんの死神と交戦してきた

雑魚共とはいえ

さすがにあの人数相手に無傷とはいかない

傷薬もないし

体力を回復する方法はただ休むしかなかった

今考えると

ものすごく準備不足だった

・・・今さら後悔してもしかたがないけど

「そう・・・だね・・・」

休むと決まったら全力で休もうと思う

正直けっこう限界だった

腕の傷だって

強がってみたものの

痛いものは痛い

「・・・・・・・・・・・」

私はくったりと地面に横たわって

目を閉じた

「・・・おやすみ 凛護」

意識が遠退く少し前

紅が頭を撫でて

そう呟いた気がしたけど

そんなことより

・・・眠かった



















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