【玄武舞台裏座談Prat4】

リズヴァ−ン「これから私と敦盛で綱引きの実演をする。」

敦盛「先生、これくらいの綱で良いのでしょうか。」

リズヴァーン「うむ、手頃な太さだ。」

敦盛「では片端を。」

リズヴァ−ン「うむ。」

敦盛「引きます。」

リズヴァ−ン「…このように綱の端を引き合い互いの力を競い合う。これが綱引きだ。」

泰明「…お前達の時代ではこのような遊戯が盛んなのか?」

リズヴァーン「いや、そのようなことはない。」

敦盛「実は今回のことは三人の神子の提案なのだ。」

泰継「神子達か。」

泉水「そうなのですか。それぞれの四神に力を合わせることの大切さを教えてくださろうとしているのですね。」

敦盛「え…いや、神子がそこまで考えているかはわからないが…。」

泰継「フッ。神子達は時に私達の考えつかぬ方法で八葉をまとめることがある。」

リズヴァーン「…。」


永泉「皆様、遅くなりました。申し訳ありません。」

泰明「永泉。来たか。」

泉水「永泉様、お手にある包みは…?」

永泉「あ、これですか?実はここへ来る途中にヒノエ殿に呼び止められまして。頬がおちそうな程、美味なお饅頭なので是非玄武の皆で食べてもらいたいと…。」

泉水「そうですか。ヒノエ殿が。あの方は殿方には冷たいと望美殿がおっしゃられておりましたが。本当は誰にでもお優しい方なのですね。」

泰継「不要な物を処分する目的もあるやもしれぬがな。」

泉水「泰継殿、そのようなことは…。」

泰明「私と泰継は物を食さぬ。4人で食べるがいい。」

永泉「あ、そうでしたね。では…。」

敦盛「いや、私も食べ物は…。それより永泉殿。ヒノエが何かする時は大概、目的がある時だ。神子達へなら饅頭も喜んで渡すだろうが男に渡すのは何か魂胆があると思っていいだろう。」

永泉「え…魂胆とは。」

リズヴァーン「永泉、それを貸しなさい。」

永泉「は、はい。」

リズヴァーン「…!?これは…。」

泉水「…先生?」

敦盛「…やはり…毒ですか?」

泰継、泰明「…。」


リズヴァーン「…皆、今日のことは忘れなさい…。」



リズ先生は無言で饅頭を手にその場を去り、その様を悲痛な表情で永泉と泉水が見守ったのだった…。



 
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