【白虎舞台裏座談Part4】

景時「みんな、突然呼び出してごめんね。実はリズ先生から…。」

譲「50回記念公演の出演者を対抗試合で選出するという話があったそうですね。」

景時「え!もしかして譲君もリズ先生に呼ばれたの!?」

幸鷹「いえ。実はここに譲殿と来る途中に青龍組の部屋から九郎殿の話が聞こえてきまして。」

景時「ああ…九郎ね。」

友雅「すまないが、こちらにもわかるように説明願いたいのだがね。」

譲「あ、すみません。内容的に景時さんが話づらいかと思ってつい…。」

景時「あはは、ありがとう譲君。実はね。今度の公演でちょうどウチの劇団の上演も50回目を迎えるらしいんだ。そこで劇の出演者を四神対抗試合で決めたいとリズ先生から話があったんだ。」

鷹通「試合…ですか?四神別に別れての劇ではなく?」

景時「うん、綱引き試合で勝ったところから出演者を決めるらしいんだよね…。」

翡翠「綱引きとは…随分と泥臭いものを選んだのだね。先生は。」

幸鷹「あまり言いたくはありませんが、リズ先生は玄武が有利だと分かってこの競技を選んだのでしょうか。」

鷹通「もしかして前回のように先生は参加されないのではないですか?」

景時「うん、俺もそう思って聞いたんだけど、今回は人数が同じでなければ不公平になるから先生も参加するらしいよ。」

翡翠「組分けからすでに不公平だと思うがね。」

鷹通「演技を競うなら私達にも勝利の道が見えるのですが…。」

友雅「おや、相変わらず頭が固いのだね、君達は。」

鷹通「なっ!君達と言いながら私の方を見てるではないですか。」

譲「友雅さん、今回ばかりは俺も勝目はないと思います。純粋に肉体の力を競う競技で玄武のメンバーに勝てるとは思えませんが。」

友雅「綱引きの勝敗を決めるには何処を見るのだったかな。」

景時「あ!?なるほど!」

幸鷹「…?どういうことでしょう。」

景時「綱の真ん中にしるしをつけて、地面にも線を引くんだよね。そして地面の線を目安に綱のしるしがどちら側に引かれているかで勝敗が決まる。」

鷹通「ええ、ですからより力の強い方が勝つということではないのですか?」

翡翠「いや…最終的には綱の中央のしるしがこちら側に近ければ勝ちということに条件が絞られるなら…。」

友雅「わかったようだね。そうだ。綱を途中で切ってしまえば私達でも玄武組に勝利することが出来るのだよ。」

譲「ですが刃物を持ち込むのはルール違反ではないですか?」

友雅「そんな無粋な真似をするつもりは私にもないよ。」

翡翠「そうか。これだけ金属性が揃っているならたやすいことだったね。」

景時「光の矢で綱をちょっきん〜て感じかな。なんか他の組に悪いね。ははは。」

鷹通「はあ…。」

譲「あの、では朱雀組が同じように火属性攻撃を使ってきたら…。」

友雅「…。」

翡翠「…彼らが思いつかないことを祈るとしようか。」



何となく不安の残る話し合いの結末に白虎達は苦笑いを浮かべるのだった。






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