夢浮橋劇場再演

□舞台裏〜座長リズ先生





九郎「皆、集まってくれ。リズ先生からお話があるそうだ。」

【舞台裏】
〜座長リズ先生のお話〜


九郎「先生、すみません。稽古で山にこもっている者もおりまして全員集めることはできませんでした。さあお話をどうぞ。」

リズ「日々稽古の末、劇場の開設、公演に至ったのは皆の協力があってこそ。・・・感謝する。」

一同拍手(パチパチパチ)

鷹通「いえ、劇団を立ち上げ私たちに演じる喜びを与えてくださったのは先生です。」

彰紋「そうですね。同じ時代の八葉から先生と慕われているのもわかる気がします。」

イノリ「けどよ、ちゃんと演技できてんのか?俺達。」

天真「ああ、たまに筋からはずれたりする奴もいるしな。そうなるとナレーションもしんどいしよ。」

勝真「あと、与えられた役をかえるのもよくないな。」

イサト「勝真、おまえ花梨とそんなに口づけしたかったのかよ。」

勝真「なっ!なにを…。」

将臣「なんだ、地青龍って案外ムッツリなんだな。」

天真「なっ!そんなんじゃ…。俺達はただ台本は大事だと…。」

勝真「むっつり?」

九郎「?」

幸鷹「あの、お言葉ですが観衆の前で衣服をとったり口づけをしたりという流れに問題があるのでは?」

翡翠「ふふふ、別当殿。露骨に表現せずとも観客に雰囲気をつたえるすべはあるものだよ。」

リズ「…。」

九郎「はっ!すみません。先生。皆、リズ先生のお話の最中だぞ。静かにしろ。」

一同「…。」

リズ「…うむ。演技とは、その役の人となりをとらえ、その者の心となりて振舞う。
自然に役に入ることができれば寒さを感じ、ひもじさも覚え、時に目の前の者を愛す。」

詩紋「そうですね。役になりきる…。僕達上手く台詞を言うことばかり考えてたかも。」

ヒノエ「相手を惚れさせるのも舞台の上の役者の力量ってことか。」

望美「女優が少ないから演技で男の人も女の心になって女性を演じることも必要なのね…。」

リズ「うむ。」


一同(え!うむって!?)


リズ「皆は無限の可能性を秘めた金の卵だ。
個人の最大の魅力である個性をいかし、今日言った事を心にとめ明日からの舞台に励んでほしい。」

九郎「先生。ご指導ありがとうございました。」

一同「…ありがとうございました。」


一同最後の同意が気になったがリズ先生に問いただす者はおらず、それぞれの稽古に戻った。



☆舞台裏はたまにでてくるかもしれません。


 

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