占いの館へようこそ‡遙か3‡
□再会はスーパーで
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思わぬ所で再会を果たした六人はいったん有川家に戻ることにした。
鮮魚コ−ナ−の景時は仕事の上がり時間が二人より早かったので、敦盛・九郎と共に先に有川家へ向うことになった。
「偶然とはいえ、母君に感謝せねばなるまい」
歩きながら九郎は敦盛に話しかけたが、彼は何やら考え込んでいる様子で、九郎の視線に気付くと「あ、ああ」と生返事を返してきた。
景時も先程からずっと考え込んだような顔のまま無言で歩いていた。
「景時…」
「…ん、ああ。ごめん。何?」
心配そうに彼の名を呼ぶ九郎に向けた笑顔は力ないものだった。
景時は九郎と再会してすぐに朔の所在を尋ねた。
だがあの日、時空の海でバラバラになり現代に着いた時に一緒だったのは九郎・ヒノエ・敦盛・譲と望美・白竜だけだった。
「朔殿は一緒ではないのか?」
再会直後の九郎の返答に景時は驚きと落胆の表情を同時に浮かべ、「そうか、ごめん」と力なく微笑んだ。
景時が朔の身を案じているのが痛いほど伝わり、三人は無言で有川家への帰路を辿るのだった。