占いの館へようこそ‡遙か3‡

□再会はスーパーで
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入り口より中央の通路を奥に向かって九郎は移動していた。

「今日はいいのが入ってるよ〜」

通路の突き当たりには魚が陳列されており、棚の奥にいる男が買い物客に声をかけていた。

元の世界の熊野の賑やかさを思い出し九郎は軽く微笑むと、突き当たりの魚売り場を右に曲がろうとした。

すると、

「景時ちゃん、今日は何がオススメ?」

「今日は秋刀魚がオススメだよ〜。一皿三匹なんだけど奥さんには一本おまけしちゃおうかな〜」

聞き慣れた声が耳に入り九郎は勢いよく振り向いた。

「…景時?!」

何故、ここに…。いや、無事だったのか…と九郎が考える間に、

「くろう〜!よかった!!!」

持っていた魚を放り投げ棚を跳び越え景時は九郎に抱き着いた。

「うわっ!」

抱き着かれると同時に魚は九郎の頭の上に落ちてきた。



その時『ピュ〜』と合図の口笛が聞こえた。



 
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