BL

□お人形
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ここは稲葉山城の牢獄

「光秀、来てあげたよ」

「………」

無言で僕を睨む君
猿轡や、鎖、革紐で拘束されている

その中の猿轡を外す

「元気かい?」

「ふざけたことを…」

「今日も君は威勢がいいね、さてと今日は何をしようかな」

「っ…」

そうだね
自尊心の高い君には屈辱が似合うかな

「ねぇ、光秀」

「早く殺しなさい」

「また、僕は君を殺さない」

「限界です」

「何にかな?」

僕は微笑を浮かべる
君が限界なのは何かなんて知ってるけど
君の声が聞きたいからねこの牢獄なら他の人間には聞こえない君のためだけに作ったんだ

「全てにです」

「へー、それはご愁傷様」

「いい加減にしてください」

「そんな事言っていいのかい?ご主人様に」

「ククッ貴方をご主人だなんて思ったことは一度もありません」

「光秀知ってる?お人形は念入りに優しく接しないといけないんだ」

「それが何か」

「君は僕のお人形なんだから僕に傷つけさせてほしくない」

「いっそのこと傷つけ傷を深くしていき殺してくれればありがたいのですがね」

「するわけないだろう?やっと手に入れた美しいお人形なんだから、そのかわりに」

「?」

怪訝そうな顔をして僕を見る君
僕は関節剣を手にとる
そして勢いよく斬りつけた

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