persona4
□サッカリン
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コンビにまで堂島さんの煙草を買いに行った帰りに下校途中のクソ生意気なガキと遭遇した。
「珍しいねー今日はひとり?」
「用事があるっていってあるんで」
ごそごそと手に持った袋から何かを取り出して僕の手に押し付けた。
「これ、足立さんにあげますね」
僕の手に載せられた小さなクッキーの包み。可愛らしいピンクのレースリボンが控えめながら存在を主張している。
どう見ても女子からのプレゼントだ。
「モテない僕への当てつけかい?」
「間違ってはいないです」
「君って本当に良い性格してる」
「そう言ってくれるのは足立さんだけですよ」
「この子の好意を無駄にする気かい?」
「どうしてですか?」
「だって君に食べてもらいたくってつくったんでしょ?」
だから君が受け取ってあげなよ、と言うと目の前の生意気な少年はくす、と笑うと
「だってこれは俺から足立さんにつくったんですよ?」
『 』
鳥肌が立った所で適当に礼を言って署に戻った。
リボンを解いてみるとこれはまた無駄に可愛らしい型のクッキーだった。
腹が減っていたので試しに食べてみる。無駄に甘い。コーヒーで残りを流し込んだ。
胸焼けがする。
きっと何か混ぜたに違いない。
だってさっきのあのクソガキの言葉が頭にこびりついて離れやしない。
『愛をこめて』