タンペン

□迷い路
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さすがに待ち合わせ相手が来るはずもないだろうと俺はそのままアトラクションを出ることにした


「今日はなかなか楽しかったよ」

「あ?」


アトラクションを一緒に出た名無しさんはクスッと小さく笑う


「閉じ込められはしたが、君が一緒だったから退屈はしなかったという話だ」

「そりゃどーも」

「そういえば君はファンサービスが好きなんだったな。今日の話もそうか?」

「てめぇは俺のファンじゃねぇだろうが」

「それもそうか。ま、別にどっちでもいいが」


名無しさんは肩をすくめるとそれじゃあと歩き出す


「またな、W」


手を振って人混みに消えていった名無しさんの後ろ姿を睨み付けながら俺は軽くため息をついた


「またな、か…」




(次会ったら)
(敵同士だろ…)






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