タンペン
□迷い路
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いきなりだが、訳の分からないことに閉じ込められた
「クソッ!出しやがれってんだ!」
「まぁ落ち着け、銀河〇〇〇」
「ギャラクシーだけ残してんじゃねぇよ」
しかも、最悪なことにあの変な女も一緒だ
あークソ!なんでこんなことになってんだ?
「察するに、アトラクションの故障だろう」
「んなこたぁ分かってんだよ。俺が知りたいのはなんでこんなタイミングよく故障したかって事だ」
そう、俺たちは今ハートランド内にあるアトラクションの一室に閉じ込められていた
「つか、なんでお前はここにいるんだよ?」
「大会参加者はアトラクションは無料だと聞いて、ならせっかくだからと入ってみた。君は?」
「ま、俺も似たようなもんだ」
本当は違うが…
「しかし、お前なんでこんな所に?」
「可笑しなことを聞くな、迷路といったら迷子になるためのものだろう」
「今思ったんだが…お前バカだろ?」
いやまぁ、迷路は迷子になるようなアトラクションではあるが、迷子になるためのアトラクションではないと思う
「冗談だ。簡単にゴールしてはつまらないと思ってうろついていただけだ」
「ボケが分かりにくい!絶対お前迷ってだけだろ!?」
「そう言われても構わないが、そういうお前はどうなんだ?」
「あぁ?」
「お前は迷路で迷ってここに来たんじゃないのか?」
「ハッ!俺がそんなヘマするかよ」
「そうか、ならなんでこんなゴールとは正反対の、しかも隅の部屋にいるんだ?」
「……」
相変わらず、妙に鋭いな…
コイツの言うように、ここの迷路のアトラクションはいくつかの部屋で区切られて出来ている。だから、人と会うにはある意味ちょうどいいんだが…
「深くは詮索しないが、大方誰かと待ち合わせといったところか?」
「ほぼ当てにきてんじゃねぇか!」
「ほほう、当たっていたか…」
「白々しい!」
「ふふ、確かにな。だが、相手の詮索はしていないだろう?」
聞かれても答えるつもりはないが、きっとコイツは相手の当たりも大方ついているのだろう…
「だとしたら、お前もだいぶ性格が悪いな…」
「誰も良い性格をしていると言ってはいないが?」
「そりゃそうだ。自己申告ほど胡散臭いものはねぇ」
「だろう?」
クスリと名無しさんが笑ったと同時に部屋のロックが解除された
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