星屑

□きっかけの夢
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目を覚ませばそこは荒れた場所だった
そこかしこにスクラップが転がるここは、お世辞にもキレイとは言い難い…


「サテライト…」

(そっか、不動博士にはもう会えないのか…)


ふと、周りを見回した時、男の子たちが集団で1人の男の子を囲んでいるのが目に入った


「キミたち、何してるの!?」

「あぁ?」


思わず叫んでしまった、相手は自分よりも年下だけど…さすがに人数が多いのは…


「なんだよ、お前」

「邪魔すんな!」


口々に悪態を言う男の子たち、口悪いなぁ…


「1人の子によってたかって…そんなの見過ごせないよ」

「うるせぇ!!」


ぶん!とパンチをしてくるがさすがは年下、あんまり届いてない…


(うん、でもビミョーに痛い…)


「やめなさい!」

「イテッ!?」


ちょっと強めに叩くと男の子たちはさっさと逃げていってしまった。弱いなぁ…


「キミ、大丈夫?」

「うん…助けてくれてありがとう…」

「!?」


恐る恐る顔を上げた男の子を見て思わず驚く


(遊、星…!?)


不動博士の面影があるその男の子は間違いなく、不動博士の実子、不動遊星だ


「お姉ちゃん?」

「あっ、な、なんでもないよ」


自分の顔を見つめて固まっていたわたしを疑問に思ったのだろう、遊星は不思議そうに首をかしげる


「えっと…わたしはアリスっていうの。君はなんてお名前?」

「オレは不動遊星」

「遊星…いい名前だね」

「ありがとう…」


照れたようにお礼をつぶやく遊星がかわいらしくて顔がほころぶ


(でも、どうしよう…)


まさか遊星に会えるとは思っていなかった、しかもこんな幼い遊星に…


(不動博士の…遺言…)


今、今の遊星に伝えていいのだろうか?
アリスが迷っていると、また男の子が2人やってきた






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