ACT7◆XANXUS+10



「Pront?」







XANXUSのバカ。

電話をしながら窓の外を眺めているXANXUSを横目で睨む。朝から何回も何回も頭のなかで繰り返す言葉を今度は小さく口に出してみた。ぶす、と頬を膨らましてソファーに体操座り。電話口で時折ゆっくり微笑むXANXUSにどきりとしながら、すごく悲しい気持ちになる。







「……Si、addio.」



ようやく電話を終えて、XANXUSがこっちにくるのを横目で確認した。やっと気付いてくれたことに胸が躍るけど騙されちゃいけない。私は怒ってるんだからね。
確かに私も起きるのが遅くなりはしたけど(10時に起きた)それでも朝から数えて5時間は経っている。もう3時だ。絶対忘れてる。






「おい」
「……」




呼ばれたって向いてなんかあげない。XANXUSはプライドが高いから何回も私を呼んだりしないのは解ってる。ソファーに深く座る私の後ろにズルリと入って来て、XANXUSは私をだっこする形になった。ちゅう、とうなじにキス。うう…バカ。ちゅうしたい。今すぐXANXUSの方向いちゃいたい。でも、思い出してくれないとやなんだもん。だって今日は……




「出掛けねえのか?」
「え……」




XANXUSの言葉とそれに答えたことで、たまってた涙がぽろ、と落ちた。涙はバカみたいに止まらなくて、ぼけた顔でXANXUSを見る。
彼はぶはっといつもの独特な笑い方をして、私の涙をキスで拭った。



「anniversarioじゃねえのか、今日は」
「…覚えてたの……?」



おでこをくっつけたまま、XANXUSが私の頬を撫でる。もう一回鼻の先にキスされてふふ、と笑ってしまう。覚えて、たんだ。



「出掛けるんだろ?」
「うん!」


立ち上がろうとすると、お手をどうぞ、とXANXUSがふざけてひざまずく。クスクス笑って、出された手の上に自分の手。大きさの違うふたつが絡み合って恋人つなぎになる。
XANXUSが私を見下ろして、現金なお姫様だな、と笑った。
そのままもう一回キスをして部屋を出る。


今日はXANXUSとのanniversario。
天気は晴れ。用意は出来ている。

ずーっと楽しみにしてたんだから!




何処に連れていってくれるの、ダーリン?








さっきの電話はリストランテへの予約




 


レスは日記にて(^ω^)



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