駄Novel
□秋の足音
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ふ…と、空を見上げた神田が呟く。
「もう秋だな…。」
「…ですねぇ…。」
少し淋しそうな神田の表情がとても…アンニュイで…何とも優しげな色香を放っていた。
「ぼ…僕、キノコが沢山はいったホワイトシチュー食べたいなっ!」
神田の色香に飲み込まれそうで、間抜けな言葉が出て来た。
キョトンとする神田。
あぁ、恥ずかしい…まったく何であんな間抜けな言葉が出たんだ?
絶対
"ハッ…何、下ら無ェ事言ってんだ…コノもやし"
って、鼻で笑われちゃうよ…///
「俺は、栗御飯と、薩摩芋の天麩羅と、焼き芋が食いたい。」
「え…?」
もしかして、ちゃんと会話続いてる…?
「天高く、馬肥ゆる秋ってな…秋は、過ごしやすいし、食い物も、旨い物ばかりだしな。」
「うんうん、美味しい物沢山だよねっ。」
二人仲良く話してると、後から耳に馴染んだ声が、聞こえた
「確かに良いよな秋って、夏の間に痩せちまった女の子達も芋や、林檎、食ってふっくらしてくるからなぁ、俺も秋大好きさ。」
「あ、ラビ!帰ってたんだぁ、お帰り〜。」
「よォ…死んでなかったかバカうさぎ、つかテメェ…今の発言、どっかのエロ親父かよ…」
「ぷ…確かに。」
「えぇ!?ひでぇさ!俺、まだ健全な、18さよ?」
「テメェで、健全なんて言う次点でテメェは、エロ親父だ。」
小突き会う二人に、軽く焼き餅を焼く僕は…やっぱりガキなんだ。
悶々してると、クリッと可愛らしく振り返った神田が、クスクス笑って
「おい、もやし!お前の好きな、メイプルシロップ沢山使って、"天まで届くホットケーキ"焼いてやるから機嫌直せよ?」
って言った…て言うか笑った…?
神田って、笑うと目茶苦茶可愛いじゃないか…!
「本当?やったあ♪」
実は…神田って、料理上手いんだよね!楽しみだなぁ…ホットケーキ!
「良いなぁ、アレン。」
「本当本当ー、アレン君だけ狡いわよ。」
「…リナリー…。」
「ハイハイ、テメェらの分もな。」
「「やたっ!」」
「「神田、大好きー!」」
3人で、神田に甘える。
神田も優しく甘えさしてくれる…って言うか、神田って任務中は死ぬ程厳しいのに…。
オフの日は、沢山甘えさせてくれるんだ…そういや、何故だろ…?