free

□*Baby Panic*
1ページ/4ページ


*Baby Panic*

朝、目覚めると何時もと違う、とにかく全部デカイ、特に天井が異常に高く感じる。

「…んにゅ、しっこ」

ベッドから下りるのも一苦労だ、足がフラ付く…頭が重い風邪か?と思いつつ俺は、ヨタヨタと、移動する。

…ドアノブ高ッ!!!、どうやって部屋から出るんだコレ?無理だろ…。

果敢にドアに手を伸ばすが、届かない。

うぅ…漏れる、てゆーか何故に服着て無ェんだ?つうかこの手は、どう見ても赤ん坊の手…?

「なん…らこりゃ!?」

と、舌っ足らずな甲高い声で叫んだ。

その途端、お約束というか…漏らしてしまった。

生暖かい液体が、股を濡らす…俺は、いい年してお漏らししてしまったのだ。

「ふえっ…、ひっく…、どうしよう…」

泣いても仕方ないのに…涙が、次から次へと溢れた…絶対、昨日コムイに飲まされた茶の所為だ。

「神田、どうしたの…んんっ、君…誰?」

最悪なタイミングで、モヤシが入って来た…。

直ぐに察したモヤシは、タオルで俺をくるんで

「ドアに手が届かなかったんだね、一人で、怖かったよねぇ?」

と、俺の頬を伝う涙を拭った。

大浴場に、おくるみに包まれ連れて行かれ、湯を張った盥に浸けられた。

「神田、気持ち良ィ?」

俺がコクンと頷くと、モヤシ
が優しく撫でてくれた。

風呂から上がると、温かなベビー毛布に寝かされて、何か良い匂いのする粉をぽんぽんと優しく叩かれた。

「さてと、さっぱりしたしお着替えしようね、神田。」

モヤシの言葉にコクンと素直に頷いたが…ソレひょっとして…

「ヤッ!ちない!ちない!」

「ごめんね、神田でも今はおむつで我慢して?」

まぁ、確かにさっきみたいに突然オモラシしてしまう可能性は大いにあるのも事実。

我慢しておむつをした。

「もあち、服どうしゅんだ?」

「あぁ、それならさっきゴーレムでリナリーに頼んだよ?」

リナリーに…?何か嫌な予感。

   予感的中…!

フリフリした、可愛らしい女児用のベビー服の山、山、山!

アレンと、リナリーに無理矢理ファッションショーをさせられた。

しかも、腹立つ事におむつまで女児用の可愛いデザインに穿き変えされた。

「きゃあぁ、可愛いVv」

「神田、お人形さんみたいだよ〜可愛いねぇVv」

人事だと思いやがって!

と、怒鳴ってやりたいが上手く発音出来ない。

「うるちゃい!」

と叫んでも、二人共可愛い!と逆に喜ぶだけだしよ…。

でも、モヤシの抱っこは悪く無いかも…。

って、何考えてんだ俺!

コムイは体が戻り次第刻むとしよう。

「お腹すいたなぁ、食堂行こっか?」

突然、モヤシが呟く…確かに腹が減ったな。

「ん…、何らこの手は。」

「え、抱っこしなくて良いの?あんまり上手くあんよ出来ないでしょう?」

「うるしぇえ!出来ゆっ!!!」

ダンダンと足を踏みならしているが、よちよちしていてかなり危なっかしい。

「きゃうっ!」

30m程、歩いた所でへばった神田は、見事に転んだ。

「わぁっ!?神田ッ、大丈夫?」

抱き起こされた神田は、オムツに違和感を感じギュウゥと、握り込んでる様子。

「ふえっ…ちた。」

アレンが、うっすら湿ったお尻に触れた。

「あらら、直ぐに替えてあげるからね。」

ぽすんと、談話室のソファに置かれた。

「やっ…!」

「ゴメンね、浴場も、トイレも今お掃除中なんだ、部屋は今定期点検の人が来てるし。」

申し訳なさそうに、アレンが言う

確かに仕方ないが、ファインダー達がガラガラを持ってわくわくとスタンバっているのが気に食わない。

「可愛いなぁ、神田殿〜いないいないば〜!」

ファインダー達がいきなりソファーの陰から飛び出て来た。

「きゃぁ♪」

不意を突かれ何故か笑ってしまった。

「可愛い〜もっと笑ってよ神田ぁVv」

アレンがぎゅうっと抱っこして、頬擦りしてくるのがくすぐったくて気持ち良い。

「きゃはは、アレンくしゅぐったい。」

「やあぁ〜可愛い〜っvvv」

アレンが、また頬にキスをした。

ぐうぅ〜と2人して腹の虫が鳴く。

「今度こそ、食堂にレッツゴーだね!」

「もあち、あっこ。」

両手をうんと伸ばして、モヤシに抱っこの要求をした。

「はぁい、アレンお兄ちゃんと行きましょうね〜ユウちゃんVv」

とか言いつつ上機嫌で俺を抱き上げるモヤシだった。

僕は、食堂で注文してる間中、神田をおんぶしていた。

「あらまぁ、アレン君、神田君指ちゅっちゅしたまま寝てるわよ?」

「あは、本当ですね…じゃあ神田の分はミルクお願いします。」

「アレン君が食べ終わる頃には調度良く冷めてると思うわ」

ジェリーさんは、にこにこと、哺乳瓶を渡してくれた。

しばらくすると、神田がぱちりと目覚めたので

「あ、やっとおめめが覚めましたね〜はぁい、温かいミルクですよぉ〜。」

と言って哺乳瓶を神田に渡した。
 
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ