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□僕の愛少女。
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あれから…1ヶ月、あんなチビだった彼なのに。

栄養の整った食事とAKUMAと隣り合わせでは無い暮らしの賜物か…

「135cm、わぁ…よかったですね神田!!」

たったのひと月で15cmも伸びていたのだ。

僕は食堂の柱で彼の身長を計ってぽんぽんと彼の頭を撫でた。

「てめぇ、子供あつかいすんな!!」

口では文句を言っているが、頬は嬉しさから可愛らしいピンクに染まり

唇は嬉しさから三角に開かれ

やり場のない喜びを発散させるかの様に

右手をぐっぱーぐっぱーとさせる彼に、アレンは可愛いなぁと微笑んだのだった。

最近、彼が僕を兄の様に思ってくれている事に気付いた、だけど…

僕は…彼の兄ではなく、恋人になりたいと思ってしまったのだ。

…僕は、女好きだし…それに、結構色んな女の子と遊んだし…幼児趣味は無い筈なのに…。

否…子供に見えても神田は16才だけど…。

あんな、乳臭い生意気なお子ちゃまに惚れてしまったのだ。

「何…やってんだ僕…あの子は年下で男の子なんだぞ。」

と、自己嫌悪してしまっているのだった。

しかし、たったひと月で…あんな魅力的な蝶に育つなんて…。

まだ…乳くさいけど。

きっと、成長すれば…

高嶺の花になる。

諦めも付くってもんだ。

コンコン!

「入りますよ神田。」
「何だ?」
「服ですよ、その服はもうキツいでしょう?」

彼に自分のおさがりのシャツを渡そうと

彼の部屋に入った。

そして…彼の姿を見て、僕は自分の鈍感さを呪ったのだった。

真っ白なレースにピンタックがたっぷり入ったミニワンピースを着た
甘い甘い砂糖菓子の様な少女が居たからだ。

「な…!何て格好してんですか!!男のクセに!!」
「え…。」

思わず、口走ってしまって僕は自分の手で口元を押さえた。

何時もなら間髪入れずにキャンキャン噛み付いて来る筈の少年があまりにも大人しい。

彼は、怒りからなのかぐっと拳を作り唇を噛んで、ふるふると震えていた。

僕は、彼の足元にしゃがみ、おずおずと彼の顔を見上げた。

しょんぼりした顔で、ぽろぽろと涙を零していたのだ。

しまった、泣かせたくなんかなかったのに。

「…ばかモヤシ…俺の事何だと思ってたんだよぉ…」

えっえっ…としゃくりあげる姿を見て

やっと気付くなんて…。

神田が女の子だと…。

いくら子供でも、女の子は生まれついてのレディなのだと。

僕は気付かないうちに、彼女に口付けていた。

はっと、涙を止めた神田は、かあぁ〜と頬を赤らめ俯いてしまった。

何とも初心な乙女の表情に頬が熱くなる。

次に気付いた時には…

神田の可憐なベビーピンクの唇を奪ってしまっていた。

神田が僕の顔を見上げてくる。

僕は殴られる覚悟で目を閉じたが…。

予想外の展開…僕の体に抱き付いて来た。

「君が好きなんです…!!」
「お前が好きなんだ…!!」

と、お互いに叫んでいた。

「「あ…//」」

そう、僕らは…

相思相愛だったのだ。
 
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