小説
□落ちない涙
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『ノイトラ……。』
『ぁんだよ。』
『君は、死なない、よね……?』
『ハンッ、そう簡単にくたばってたまるかよ。………てめぇも死ぬんじゃねぇぞ。』
『……僕は死なないさ。』
そう、僕は死なない。
今は死ねない、の方が正しいか。
いや、僕の感覚の百年は世界に於ける一瞬だから、もう僕は死んでいるのかもしれない。
その長い、長い一瞬の中で、奴の霊圧が消えた。
馬鹿な奴。
挑んで、無茶して、突っ込んで。
それで深手を負ったとしても、性懲りもなく繰り返す。
今度は命すら落として。
だから、早く。
早く速く疾くはやくハヤク……。
はやく僕を殺してくれ。
これじゃあ、奴の為に泣いてやる事もできないじゃないか。
END
ねくすと:後書き