小説


□「本より僕」。でしょ?
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「ねぇ、バクラ。」


「………。」


「ねぇったら!」



かまえよ!



バクラは父さんの部屋から難しそうな本を出してきて読みふけってる。


いつもはちょっかい出してくる癖に、今日は何もしてこない。

そのおかげで家事は物凄くはかどって、洗濯も終わったし、普段は出来ない夕飯の下準備だってしてある。


つまり、今僕は暇なんだ。



なのにコイツときたら、本ばっかり読んで何も言わない。


話しかけても、無視。


いい加減ムカつくし、寂しくもなってくる。


「バクラ。」

「………。」

「かまってくれないなら、遊戯君の所に行っちゃうからね。」


イライラが頂点に達した僕は、ズカズカと足音を立てながら家の扉を開けて走り出した。



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