小説
□月光道化シンデレラ
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やがて鐘の音も止み、辺りはまた静寂を取り戻す。
僕は時刻をもう一度見て、小さな溜め息を吐いた。
今日も来てはくれなかった、と。
『宿主、どうした?』
「いや、来なかったなぁって」
『何がだ』
「王子様。」
魔法が解けても、本当の僕でも。
好きになってくれる王子様。
僕は小さい頃から、ずっと王子様を待っている。
(王子様じゃなくてもいい、なんでもいい)
僕を、愛して?
(……その゙オウジサマ゙とやらは、俺様には出来ないのか?宿主……)
仮面を被った、月光の下のシンデレラ。
王子様に気付かずに、くるくると踊る。
†END†
ねくすと:謝罪