小説
□プレゼントは君との時間
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「…有り難く思えよ、それ一体いくらしたと思って ――――――――――――― 宿主…?」
気付いたら、僕は泣いていた。
なんだか、凄く嬉しかったんだ。
バクラが僕にくれた、という事実が、どうしようもなく嬉しかった。
「な、なんで泣いてんだよ宿主!」
気に入らなかったか!?
と聞いてくるバクラに、僕は必死で首を振った。
「ちが………嬉し、くて…………」
すると、バクラは僕の涙を拭って、
「泣きながら笑うな。…………………………………宿主はずっと笑ってろ。」
指輪を取り出して、僕の指にはめた。
「………左手の薬指とか、大胆過ぎない?」
恥ずかしさと喜びを知られたくなくて、わざとからかって見せた。
そうしたら、
「嬉しいだろ?」
バクラは不敵な笑みでそう言うんだ。
やっぱりバクラには敵わないなぁ…。
バクラが言う通り、嬉しいし。
バクラを格好いいって思ったし。
バクラのこと、好き…だし。
「メリークリスマス、バクラ。大好きだよっ!」
「メリークリスマス。…………愛してるぜ。」
雪が降り始めた空を見上げて、
大好きな君とこうしていられることが、
何よりのプレゼント。
†END†
ねくすと:後書き