小説
□プレゼントは君との時間
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今日はクリスマス。
僕たち、というか僕にとっては甘い物がたくさん食べられる楽しい日。
今バクラはケーキを切ってる。
バクラは意外に世話焼きなんだ。
前に僕が料理に挑戦した時も、『危なっかしい』って言って代わりにやってくれたし。
それから料理関係はバクラがすることになった。
で、今も切ってくれてるって訳。
「おい、切り終わったぜ。」
「今から食うか?」
重ねてバクラが尋ねてくる。
勿論僕の答えは、
「うん、今食べる!」
†††††††
「はぁ〜、美味しかったぁ〜♪」
「食い過ぎだ。」
しょうがないじゃないか。
甘い物はいくら食べても飽きないんだから。
と、心の中で文句を言ってると急にバクラが挙動不審になり始めた。
そわそわ、してる。
バクラには似合わない言葉だけど、言葉にするとこれしか当てはまらない。
やがて、意を決したようにバクラが口を開いた。
「あー……宿主……………………これ、やる。」
バクラが取り出したのは小さい箱。
なんなんだろう。
「?……ありがとう」
何故こんな箱をくれるのか、よく分からないけどお礼を言って、箱を開けた。
そこには ―――
「こ、れ………」
「クリスマスプレゼントだ。」
箱に入っていたのは、紛れもなく、
指輪、だった。
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