小説
□君が好きだと知った時
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保健室を出て、バクラは授業に出席すらしようとせず屋上に向かった。
『ちょっと、バクラ!』
教室戻ろうよ、と言おうとした瞬間。
意識が引き戻される。
途端に走る激痛。
「こーいうこった。大人しくしてやがれ。」
一瞬で主導権と痛覚を奪われた。
『やっぱり、優しい。』
「は?」
『バクラは、優しいよ。』
「この俺様がぁ?有り得ねぇな。
優しいとしたら……
宿主限定だ。」
『!!!』
い、今凄いこと言われた気がする。
今バクラの顔真っ赤なんだろうな。
だって僕がそうだもん。
顔を赤くしたバクラを想像して、少し…ほんの少し笑ってしまった。
バクラは敏感に感じ取った様で、
「なに笑ってやがる!」
怒鳴られた。
『あはは、ごめんごめん!』
― こんな一時すら愛しく思えるのは ―
― きっと、キミのせい。そして、君のおかげ ―
『ねぇ、バクラ。』
『大好きだよ。』
†END†
ねくすと:謝罪のターン