涙の理由。
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『沖田隊長なんて、大大大大大ーッ嫌いです!!』
いきなり叩き付けられた悲しく非現実的な言葉。
「何でィ、ちょっと悪戯しただけじゃねーか。……そんなに土方のヤローに嫌われたくなかったか?」
事の始まりは今朝。
暇を持て余した総悟君。女中の目を盗み土方の味噌汁にゴキちゃんを……投入。
で、土方さんは大ギレして女中の子を呼び出し。
このぶんだと大分怒られたのだろう…
『もう、お、沖田隊ちょ、…なんて知りませ………っんん??!』
煩く怒る彼女……いや、正確にはどんなに怒っても可愛い彼女の腕を力いっぱい引っ張れば少し乱暴に口を塞ぐ。
目を見開く彼女に思わず口許が緩むのがわかる。
口を離せば耳元でわざと甘い声で囁く。
「……じゃ、何で俺のせいってはっきり言わなかったんでさァ」
『そ、それはっ!!……沖田隊長が怒られるのはイヤだった、だけです。』
「上出来。」
真っ赤になった彼女に今度は少し優しく長い長い口付け。君は優しいからねィ……そんな君だから大好きなんだけど。
「これからも俺の側に居て下せェ」
イヤと言っても
離さないから。
覚悟しろィ
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