- 小説 -
□Another 後編
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「ダメ…北見さん…」
そう言って口を離すと、そこは唾液と先走ったものが混じり合いグチャグチャになっていた。
「達也…」
体を起こした達也が、俺の腹の辺りまできて、膝立ちになった。
俺も体を起こすと、ちょうど達也の腹があった。
「…もう…いいですよ…」
声の方を見上げると、うっすらと微笑み、情欲の色のある表情で俺を見下ろす、見たことのない達也がいた。
「…え……」
肩に手を置かれ、耳元で囁かれる。
「入れて…北見さん…」
その言葉に、頭が真っ白になる。
自分が座っているのか、立っているのかもわからなくなるような頭の痺れに、思わず達也にしがみついていた。
「…た、つや…」
自分が入るであろう入り口に指を這わせると、小さな声を出し達也の体が一瞬硬直する。
「ん…北見さん…」
人差し指を押し当てると、ズブズブと指が飲み込まれ、中の熱さが余計に俺を攻め立てた。
「指、じゃ…イヤ…ぁ」
「…っ達也…入れるぞ…」
指を引き抜き掴んだ腰をゆっくりと降ろす、本当に長い時間に感じた。
両手の指で入り口の周りを引っ張り広げ、初めに先端の液がそこに触れる。
「っう…ぁ、北見さ…」
「…達也…きつっ」
「き、きた…み、さっ…」
先の一番膨らむ部分が、ズプリと生々しい音を立てた。
初めて、達也と、繋がった。
「う、あぁっ!」
悲痛な叫びと共に背を反らして達也が逃げ、反射的に腰を引き寄せ一気に全てそこに飲み込ませた。
達也は眉間にシワを寄せ、すごく苦しそうに歯を食いしばっていたが、もっととせがみ、しがみつく。