- 小説 -


□Another 後編
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信じられない。

と言うかそれより、体が震えて恥ずかしい気持ちが強くなっていた。
とりあえず、深呼吸。
「………」
ダメだ。逆に鼻息が荒く聞こえるかもしれなくて、うまく息を吸ったりも吐いたりも出来なかった。
「北見さん…」
「う、ん…」
返事をした時には口唇は塞がれていて、どこか体がフワリと浮き上がるような不思議な感覚に一瞬包まれる。
「達……」
背中に冷たい布団の感触と、瞳に映る達也と天井。
押し倒された、とは少し違う何とも言えない感覚に、少しだけ頭がぼんやりして、そのまま口づけを受け入れていた。
衣服が一枚一枚剥がされていき、直に触れ合う肌が多くなる。
比例して、絡まる舌と口唇もしだいに深くなっていった。
「ん…」
「………」
達也はキスが上手い。
どうしたらこんなキスが出来るのか教えてもらいたいくらいだ。
こうされているだけでも、もうイきそうだ…。
「北見さん…」
張りつめている俺のそこを、達也が優しく両手で包んでいた。
先端に口唇が触れ、舌の先で上下になぞられる感触に、溺れていく。
「達也、気持ち…い…」
「……そう」
短い返事の後に繰り返される舌。
じわりと先走ったものが流れ、自然と腰を突き上げていた。
 
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