- 小説 -


□Another 前編
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北見さんと『あんなこと』があってから1週間…。
たまにガレージへは行ったりするものの、まともに顔を見て喋ることが出来なくなっていた。
でも…『たまに』でも会いに行かなければ、僕の胸が張り裂けてしまいそうになるのも、また事実だった。
会って、抱きしめて、キスして欲しい…。
どこか中毒のようなものに溺れているのに似たような感覚。
でもそれは似たようなものであるだけで、実際はかなりねじ曲がった物に変わっていた。
会ったら、抱きしめて、キスしたい。
僕より1回り大きな体を包み込みたい…。
待っているだけの感情は、少しずつ溶け出していった。
 
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