- 小説 -
□The same Speed
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昨日、初めてお前を抱きしめた。
その時、なんだか変な気持ちって言うか…絶対に離したくないと思った。
見た目が冷めてるような印象を持たせるから、逆に腕から伝わる体温がすごく温かくて、少し触れた頬も、くすぐったい髪も、全てを手に入れたい、そんな気持ちでいっぱいだった。
今日は朝一番にポルシェの作業に取り掛かった。
サッサとばらして、サッサと組んで…
真っ黒で艶めいたボディがお前と重なって、いつの間にか頭の中はあの暖かさでいっぱいになる。
そんなことばかり繰り返していたが、仕事は昼前には終わっていた。
「あ、もしもし、俺だ。北見だ」