カイレン

□それって特別ってことだよね?
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「レンくーん………」


返事はない。
頭まで布団を被っている様子から、相当寒がって居るらしい。


「……レンくん?」

そっと布団を剥がす。


「……あ。」
寝ている。
どうやらまた眠ってしまったようだ。
……可愛い。
布団に包まれた様子はとても可愛い。

しかし、起こさねば…


自分の手が冷たいことを確認し、レンの頬に触れる。

「ひぃーー。」
情けない声をあげながら起き上がる。


「カイ兄!!なにすんのさ!!」

「もう朝だよ?」


「……知らないよ…。大体、何でこんなに寒いの!?
暖房もないしさッ」



そう言いそっぽを向く。
言うことを聞きそうにないので、レンを抱き上げる。
……やっぱり小さい。


「あっ!!ちょ、放せ、バカイトー!!俺は子どもじゃない!!……って、寒い!!」


寒い、寒い言いながら暴れるので、耳元で「……落とすよ?」と静かに言うと大人しくなった。


「……いつまでこうしてるつもり?」

「レンくんが、リビングに行くって言うまで。」

「……俺、行かないよ?」

またそっぽを向く。


「それ、俺とここにずっと居たいってこと?」

無邪気な笑顔を向ける。


「そう言う意味じゃないっ!!」

図星出はないが、あながち間違いでもないので戸惑い、照れながらカイトの頬をつねった。

「……もう少しここに居ようよ…」


こんな時、カイ兄が素直で良かったと思う。
俺は素直になれない質だから。

返事の変わりに、肩に頭を乗せ、擦り付けた。







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