カイレン

□愛した人の腕のなか……
1ページ/10ページ

カイトは毎度の事ながら、マスターの友人は変わった人が多いと思った。

何か変な事をする訳では無いが、かもし出す雰囲気が不思議なのだ。
それに、皆どこか閉鎖的な感じだった。



そんな友人の一人が失踪したらしい。
その内帰って来るさ、と、マスターは言っていたが、一週間だったが、未だに帰って来ない。



一人身ならば、問題はなかったんだ。

しかし、彼もボーカロイドを所有していた。



なかなか引き取る人がいなく、さらに一週間……と、時が経っていき、流石に不味いと判断したのか、マスターはある日、その小さなボーカロイドと手を繋いで帰ってきた。



「マスター、お帰りなさい」
「ただいま。カイト、こいつも一緒に暮らすことになった。」


小さな少年はマスターの後ろに隠れる。


「レンって言うんだ。お前と同じボーカロイドだぞ」


一気に親近感がわいた。

「あっ!!俺はカイト。えっと、好きなものはアイスで……よろしくね?」


微笑み、手を差し伸べる。しかし、その少年は隠れ、俯いたままだった。










*
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ