カイレン
□それって特別ってことだよね?
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「あー、寒い。カイトー。マフラー貸してくれよぉ。」
そう言いながら、カイトの長いマフラーを引っ張った。
「ちょ、マスター!!
いい加減止めてくださいよー。」
遂に冬は本格的にやって来た。勿論、暖房器具の出番である。
しかし、つい最近壊れてしまったのだ。
厄介なことに、原因が分からないのだ。
「いっつも貸してくれないよな?一回位貸してくれても良くないかー?」
「俺だって、マフラーがあっても寒いんですよ?」
そう言いながらマフラーを正す。
「リンはマスターの上着を着るから平気ー!!」
勢い良くマスターに抱きつくリンはまだまだ余裕がありそうだ。
「ぐはっ。……リン。限度と言うものを覚えろ…」
「マスター。レンくんは?」
もう朝はとっくに過ぎているのに見当たらない。
「……ベッドから出られないんだよ…」
呆れながら言う様子から、どうやら予想通りらしい。
「俺ちょっと行ってきます。」
「……勇者だねぇ。」
……大方予想がつく!!
これは絶対に機嫌が悪いってことだ。
でも、俺なら平気な気がした。多分、これは自惚れだ。
控えめに部屋の扉を開けた。
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