カイレン
□もう、いやだ。
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俺はリンに比べると外へ出かけたことがない。
リンはミクとお買い物。
マスターは大学。
俺はいつもカイ兄てお留守番。
まぁ、カイ兄と二人っきりってのは悪くないんだけどね……ッ。
でも!!
俺だって何処かに出かけてみたい。
だから、俺もお出かけするんだッ!!
――――----‐‐‐
リンは今日もミク姉とお出かけ。
……俺だって!!
『カイ兄、あのさぁ……』
……あれ?
何て言えばいいんだろう…
そもそも、“一緒に出かけよう”なんて……恥ずかしいじゃん!!
『………ん?』
『……あーー……。』
『………』
『やっぱり何で…『いつもお留守番で暇だよね。』
『え……』
『今度一緒に出かけようか?』
見透かされた。
俺日々そんなに態度に出てた?
『……まぁ、良いけど?』
あまりに可愛くない返事をしてしまい、内心落胆しつつ、何処に行きたい?と聞かれ、気づけば遊園地と小さく呟いていた。
正直嬉しかった。
気づいていたと言うことは、俺のことをちゃんと見ていてくれていて、考えてくれていたと言うことだから。
カイ兄はやっぱり俺より年上なのだと思い知らされた。
“再来週の日曜日ね”
頭の中でループする。
……一応デートだよね……
―――――ーーー‐‐
『ただいまー』
『『『お帰りなさーい!!』』』
『レンー!!いい子にお留守番してたかー?』
『うん。いい子だったよ』
『マスター。レンはさっきコップ割ってたよーー』
『あーー!!リン!?言わない約束だろーー!?』
マスターは笑いながら、俺の頭をグリグリする。
……最近マスターは俺に優しい気がする。
やっぱり、俺達を留守番させてばかりで、ろくに相手もできず、更には本業である歌も最近はご無沙汰で、後ろめたさを感じているのだろうか。
尚更わがままは避けたい。そんな中のカイ兄の気遣い。
俺ご機嫌みたいだ。
*