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□雪と足跡
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短い冬休みが終わって数日が経った。
あたしは相変わらず授業なんて上の空で。唯、窓の外をぼうっと見ていた。
しばらくすると―
雪が降ってきた。
ふわりふわりと舞落ちていく。
時間が経つにつれ勢いを増していき、次の授業の頃には吹雪といっていいほどのものになっていた。
放課後。
校舎を出ると雪はもう止んでいて。
地面は薄っすらと白くなっている。
ローファーだからすべらないようにゆっくりと歩く。
校門を出たところで見慣れた二人の姿を見た。
政宗とその彼女さん。仲良く手繋いで。楽しそうに笑ってて。
あの子があたしならと、何度思っただろう。
ふと、足元に目を向けた。見えたのはの足跡。
二人のところまで続いている。
眉をしかめた。
おもしろくない。
上を向けば灰色に染まった暗い空
ねぇ。もっと降ってよ。さっきみたいにさ。
そしてこの足跡も
この醜い感情も
全部、全部―
消し去って頂戴よ。
―――
09/07/22 修正
09/07/12 修正