短編
□新手の病
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「ハヤテくん・・・」
「はい」
ハヤテは振られるのだと思い、つらそうに顔をあげた。
そこには申し訳なさそうな顔をしたヒナギクの顔・・・。
ではなく、さきほどのマリアと同等の鬼の形相をしたヒナギクの顔があった。
「ひ〜」
なぜヒナギクが切れているのかわからないハヤテは悲鳴を上げるしかなかった。
「ねえ、ハヤテ君。
私が好きなのはわかったわ。
でもその告白の仕方はないでしょ」
「へ?」
予想外の展開に驚くハヤテ、だがヒナギクのいいたいことはイマイチ理解できない。
「へ?じゃないわよ。
男だったらもっと素敵な告白をして見なさいよ。
そしたら・・・・付き合ってあげる」
今までは鬼の形相だったが、最後の一言を言い終わった後には真っ赤になってしまった。
そしてまたヒナギクが言い訳がましく声をあげた。
「か、勘違いしないでよ。
別に私はハヤテ君のことを毎日考えたりとか。
告白してくれるのをずっと待ってたとか。
自分から告白しちゃおうかななんて思ったりとか。
今、ものすごくうれしいなんてことは絶対にないんだからね」
人はこれを自爆という。
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