「もう、別れよう」 眼には涙をいっぱいに溜めて、言いたくないことを口にした。 「じゃーな」 振り返る事もなく、立ちさっていくキミ。 その瞬間にもうこの恋は終わってたんだと、今更ながらに気付かされた。 「ひっく、」 うわぁん、と泣きたいのに、彼とすれ違い様に、屋上にやってきた若菜くん。 隣に腰を掛けて、見つめてくる。 「ひとりにして、」 震える声に震える体を抑える様に声を振り絞った 「…ひとりにできるわけねーじゃん…」 いつもの笑顔がなく真剣な瞳に、まるで時間が止まったみたいに動けなかった。 そして、ゆっくりと若菜くんは動き出す。 何が起きたかなんてわからずにいた 気が付くと、腕の中にいた。 それと共に溢れる涙に 「泣きたきゃ泣けばいいんじゃん?」 うわぁん、と泣きじゃくる中で、 「嫌だ、っつってもそばにいるから」 温かい言葉に、 凍り付いた心が溶けていくのを感じた End |