小説

□嫉妬心
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この声は…。

「へぇ〜カタリーナに赤ちゃんが産まれたのか」

「ええ、とっても可愛いわよ。近くを通った時は是非見に来てね」

「ああ、そうするわ」


ティナ…とマッシュ。

あいつ帰ったんじゃなかったのか。



というか何故ティナと話ているんだ。


しかもあんなに楽しそうに…。


う〜ん…。


こんな事はしたくないが。


エドガーは音をたてない様に扉を少し開けた。その隙間から片目で中の様子を覗き始めた。まるでどっかの泥棒さんである。

客間では2人共紅茶を飲んでいた。クッキーを頬張るマッシュをフワリと顔を染めて暖かな表情で見つめているティナがいた。

そのティナの表情を見て、ドキドキと弾んでいた胸が急に苦しくなる。


その…誰かを想っている表情…まさかマッシュに!?


ガタン!!



体のバランスが崩れ扉が開いた。2人に不自然な体勢を見られ少々慌てる。


「エドガー、遅かったね。どうしたの?」

「兄貴?」


不審に思う2人の目線が痛い。

エドガーはゴホンと咳払いをしてその場を無理矢理誤魔化した。

「やぁティナ、遅くなってすまない。ご機嫌はいかがかな?」

そしていつもの口調で笑顔を絶やさず。

「仕方ないわよ、忙しいのはわかってるし。その間、マッシュとお話出来て楽しかったわ」



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