Nitro+CHiRAL

□Frenzy and appetite
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「ただし………





その四肢全部、切り離してな!!!」


そばに置いていた、大きめの包丁を振り上げ

蓉司の右肩辺りに突き立てた


「!!?!」

朱い紅い真っ赤な色が吹き出し、蓉司のシャツや俺の手を濡らした
微かな手応えと共に鉛色が赤いシャツを切り裂いて蓉司の中に埋まっていく
刃が半分ほど埋まったところで手応えと共に刃が止まった


「…………」


蓉司は半分呆然と自分の肩を凝視している
痛みは衝撃などで感じていないのだろう


「あー………やっぱ、骨で止まったか………ちゃんと研いだんだけどな………」

刃を上下に動かしながら、少しずつ骨を切断していく

「!、う゛ん゙ん゙ん゙ん゙っっっ!!!」


蓉司が目を見開きくぐもった悲鳴を上げる

生きたまま腕を切断されているのだから
痛くて仕方ないだろう

フツウは罪悪感などを抱くだろうが、不思議と感じ無かった
それどころか蓉司の血を見てから気分が高揚して仕方がない



もっともっと


この“紅”を見たい


沸々と欲望が腹の底から沸き上がってくる


「よーじ、綺麗だよ………すっげえ綺麗」


“ゴリッ”と奇妙な音が鳴り、一気に刃が沈んだ

ついさっきまで蓉司に付いていた腕を取る
切断面から血が滴り、骨が突き出ていた
真っ白で紅に彩られていた
断面からはえもいわれぬよい香りが漂っている

「いい匂い………スッゴくいい匂いだよな………よーじって」

ちらりと蓉司を見るとボロボロと涙を零して激痛に耐えていた
額には脂汗が滲んでいる

「ぅっ………ぅ………」

「よーじ、大人しいな…よーじの声聞きてぇから取ってやるな……」

ぺりぺりと粘着テープを剥がした


「っ!……、…あ、……」


パクパクと蓉司の口が動いたが何を言っているかよく聞こえない

ふと、切断した傷を見ると血が流れ出していてシーツを染めていた

きっとこのまま放っておくと出血多量で死んでしまうだろう

それでは面白くない

「よーじ、血、止めてやるよ。死んじゃうだろ?このままじゃさ」


よーじの傷の少し上を包帯できつく縛った後

俺は台所に行き、包丁の刃を火で炙った

包丁が熱し終わったら冷めないうちによーじの所に戻った


「お待たせ……よーじ、動くなよ」

「?!ぃ、嫌だ!………睦!……やめっ!」

ズルズルと蓉司が逃げそうになったから馬乗りになって傷口に刃を押し当てた

“ジュゥッ”と音がして、肉の焦げる匂いがした


「あ゙あ゙ぁあぁあ゙ああ゙ぁあ゙っ!!あ゙あぁ゙あ゙あ゙あぁああ゙あ゙あぁあ゙あ゙ああっ!!」

蓉司は目を見開いて悲鳴をあげた



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