Nitro+CHiRAL
□A promise
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翌日、学校に行って事の『真相』を聞いた
どうやら、翁長の組争いで翁長親子が死んだのは事実らしい
だが、もう2人行方不明者が出ていた
崎山蓉司
城沼哲雄
両方とも何等かの私用で学校に行った所でその組争いに巻き込まれ、行方不明という事だった
双方の親御さん達も警察に捜索願いまで出しているが未だに見つかっていない
俺は自席に着いて、ぼんやりと2つの空席を見比べた
これは俺の推測だが、何となく蓉司と城沼はこの先いくら捜しても見つからないと思った
昨日の出来事は端から見れば絶対、奇妙なことだと言われる
けど、蓉司ならあんなことも有り得るとどこか自分で納得していた
勿論、警察に話す気もない
それに話したところで信じて貰える訳などない
きっと、昨日の蓉司達は俺に会うためだけに来てくれた
きっと他の選択肢は沢山あった筈だ
それでも、蓉司は蓉司達は俺を選んでくれた
だから、昨日のことは俺の胸中にずっと仕舞っておく
ふと、目を閉じた
脳裏に夕日に照らされて微笑んだ蓉司の姿が焼き付いていた
もう、一度だけ………
「……蓉司………哲雄……」
小さな俺の呟きは窓から吹き込んだ夏の風に攫われて、誰の耳にも入ることは無かった
end
→next be different side