Nitro+CHiRAL
□Frenzy and appetite
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蓉司は今目の前に横たわっている
正確には俺が気絶させたのだけれど
せっかく寝てくれたのに、起きて騒がれたら少しばかり厄介なことになる
蓉司の声が聞けなくなってしまうのは残念だが、口を塞いでしまおうと粘着テープを口に貼り付けた
ついでに、暴れないように両手を後ろ手の状態で粘着テープでグルグルと雁字搦めに纏める
足も一纏めにして、足首と膝の二カ所に手と同じように雁字搦めに巻いておく
こうすれば、そう簡単には解けない
蓉司が寝ている間に全て必要なモノは用意した
蓉司の寝ているベットに腰掛けるとベットのスプリングが微かに軋む
「ん………」
腰掛けた時の振動で気がついたのか、蓉司の閉ざされた白い目蓋が微かな痙攣を起こし、薄く開かれる
「あ、よーじ起きた?
はよっ!よーじ」
にっこりと蓉司に笑いかける
蓉司はまだ寝ぼけているのか、ボンヤリとしていたがすぐに自分の状況に気付き驚愕に目を見開いた
「んー!んんっ!!」
「よーじ、何言ってるか全然分かんねーよ?
いやー……よーじをさ、この部屋まで運ぶの大変だったんだよなぁ………めちゃめちゃ苦労したよー」
わざとらしく大袈裟な溜め息を吐く
蓉司は何とかして拘束を解こうとベットの上でもがいている
「あー……よーじ無駄だから止めとけば?雁字搦めにしたからなかなか取れないよ」
蓉司はそれでも諦めず、ジタバタともがく
「ぅ゙んんっ!ん゙んーー!!」
蓉司が何かを叫ぶが、声がくぐもって全く聞こえない
「ったく………よーじ……何?もしかして俺のこと嫌い?………そんなに嫌がられると……いくら俺でも傷付くよ?」
蓉司に問い掛けるようにベットから下り、蓉司と同じ顔の高さにする
蓉司は目を据えて、俺を睨み付けた
「………蓉司。その目……俺のことそんなに嫌いなんだ?」
「………。」
蓉司は無言で俺を睨む
「プッ………アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!!
そっかぁ………よーじは………俺のこと嫌いなんだぁ…………じゃあ、いいよ…………その拘束解いてやるよ………。」
「!………?」
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