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□川島 七海
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「でも今日は掃除があるからムリぃ」

移動教室にそなえ教科書などを腕に抱え、ひらひらと空いた右手を頭の横で揺らしている

「待ってるからいいし」
「せめて手伝ってよ」
「んじゃ手伝う」

気怠そうに答えると、その話を聞いていた楓がにんまりと音がつきそうなくらい笑いながら

「なぁんかお邪魔みたいだから放課後はさっさと退散しますかねー」
「はぁ?」

眉間に皺を寄せながらいかにも嫌そうな態度をみせた

「いーのいーの、遠慮しないでー」

楓はさっと教科書を抱え

「じゃ」

と言うとあっと言う間に教室を出て行ってしまった


「楓もいい加減わかってよねっ」
「何がだ?」

「孝助とはなぁんにもない!ってこと!」

むっつりとした顔で言えば孝助は初めは目をまん丸くしたものの、次第に落ち着いてきて

「こっちこそお前なんか願い下げだね」
「ありがとっ」

べーっと赤い舌を出しながら廊下に向かって歩き出す

子供みたいな態度に呆気にとられた孝助だが、次の七海の言葉でようやく動き出すことが出来た


「置いてくよー!」

「ぁ、ちょっ、待てよ」






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