08/02の日記

23:11
今日のお題:エンディング オブ ツシマ。
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※色々と書いてたらクソ長くなりました。
あと、ゴーストオブツシマのラストのネタバレをめっちゃしてます。
一応ご注意を。


この時間帯になると、いつも奴が襲ってくる。
それは紛れもなく奴さ。


さて。

昨夜はあれから、ツシマ最終章を突き進み、無事クリアしました。

コトゥンが、本土への進行のために移動していた港町を舞台に巻き起こる、侵略者・蒙古とツシマの守護神・冥人との最後の戦い。

ある程度の策は用意していたとはいえ、野盗の女、老齢の弓取、武家の老女、肥満ぎみの僧兵、そして主人公たる冥人という、少数精鋭にも程がある面子で挑むツシマ側。

圧倒的な数の暴力で押そうにも、地形や建物なんかの位置取りから、うまく展開できない蒙古勢。

その中を駆け抜け、ついに相対したるは蒙古の長、コトゥン・ハーン。


まずは一騎討ちの勝負。
方天戟のような長物と楯をそれぞれ片手に持つビィトスタイル。

得意の話術で惑わそうとするが、事ここに至った冥人こと仁にそんなものが通じるわけがない。

その勢いに押され、退却し子分をけしかけるコトゥン。
戦場は船の上へ。


変わらず部下をけしかけながら、共に仁に襲いかかるコトゥン。
しかし、話術もなく戦闘でも圧倒された後では、もはやただの重装兵も同然。

戦う内に得物である槍も折られ、刀を抜くもサムライに刀の扱いで敵うわけがない。

右から左から斬られ、最期には観念したように棒立ちなった。

「俺を斬っても変わらんぞ。どの道我が国はこの国を落としに来る」

相変わらずのよく回る舌で言うが、仁にはもはやそよ風も同然。
そうはさせんと告げながら、胴へ刀を突き入れ引き抜き、そのまま一気に首へと一閃を放った。


その後。
海岸で、冥人が乗り込んでいった船が吹き飛ぶのを見ていた野盗の女、ゆなは、その男が着けていた面頬を見つける。

「仁……!」

小さく呼んだその先には、体を引きずりながら近付いてくる冥人の姿があった。


燃え盛り沈んでいく蒙古の船を眺めながら、静かに喜び合う二人。
ゆなにとっては実弟だが、この戦で命を落とした仁の弟分の気持ちも、これでいくらかは晴れただろうか。

「頭であるコトゥンは討ったが、まだ蒙古の残党が残っている」

ひとしきり思いを馳せ、並んで拠点まで戻る中、仁は言った。

まだ全てが終わったわけではないのだ。
何よりも、仁にとっては清算しなければならない事柄が、ただひとつ残っていた。


落ち着いた頃、文が届いた。
かつて、父同然のように慕っていた叔父、志村からだった。

そこには、かつて手解きを受けたこともある思い出深い場所へ来い、と書かれていた。

罠かもしれない、と訝るゆなを制し、一人で赴く仁。

先に到着し、叔父の姿が見当たらずとも、粛々と待つ仁のもとへ、志村が現れる。

志村の城の奪還戦以来の対面となった二人は、言葉を二、三交わすと、移動するぞ、と馬に乗り駆け出した。

行き先は仁の先祖七代の者たちが眠る、境井家の墓どころ。
仁が幼い頃に病死した母も、戦の中で散っていった父も、当然そこに眠っていた。

「冥人は罪人だ。本土からは、お前に変わる武士の者が来る」

心を落ち着け、歌を詠んだ後、志村は切り出した。

侍に従わずとも、戦うことはできる。
それを、仁の活躍で農民たちは知ってしまった。
對馬を取り戻す戦いは図らずも、古来より上の存在であった武士を、敬わなくても良いという事の前例となってしまったのだ。

侍の世においてそれは、力関係を覆してしまう、言わば謀反とも言えるものだった。

仁は、将軍よりこの地を任される地頭である志村には、捨て置けない存在となってしまったのだ。

他の武士たちに追われ、いずれ大罪人として裁かれるのならば、と仁に勝負を挑む志村。
老齢にはなったが、冥人として力も技も卓越した仁に一切引けを取らない。

しかし、仁もここで死ぬ訳にはいかない。
未だもって蒙古の危機は去っていないし、相手が父同然と思っていた叔父ならば尚更だ。

幾重かの交錯の後、仁の一太刀が志村の腕を捉えた。

刀を取り落とし、ひざまづく志村。

「俺を斬れ。誉れと共に死なせてくれ」

浮かぶ選択肢。
斬るか、斬らぬか。

答えは決まっていた。

「たとえ私が冥人であっても、斬れるわけがないでしょう。父と慕ったあなたなのだから」

そう告げて刃を納めると、陽光の中で志村に背を向け、仁はいずこかへ去っていった。

〜終〜


……こんな感じでした。
すごいざっくりまとめた感じですけど。

なんかね、すごく良い映画を観た後のような感覚でした。
むしろこのシナリオで撮った映画見たいな、くらいの感じ。

志村の叔父キとの最終戦時、その直前のイベントくらいから、叔父キも涙しているんですよ。
息子だと思ってきた者と、最期の時を決める戦い。

ボクの操作なので何回か負けたんですけど、その度に変わらないトーンで「すまない……」って言ってくるんですよ。
他の敵なんかは割と色々と言ってくるんですけども。

もうその姿を見てボクも泣きそうになりまして。
さすがに操作しないと、そんで勝たないといけないから堪えましたけど、「ああ、色々あったけど、やっぱりこの人は仁の事を想っていたんだなあ」と。

上で書いた選択肢のくだりで本当に選択肢が出るんですが、実際即決でした。
斬れるわけないでしょう。

一応、叔父キを斬る方でもちゃんとエンディングに行けるっぽいですけど、ボクにはその選択肢を選ぶのは無理だ。


そして、光が射すなかどこかへ行く仁。
これもすごくよかった。

20世紀少年とかでも言及されていましたが、戦いが終わった後のヒーローは、どこかへ行ってしまうか死んでしまうかなんですよ。
作者が、思い入れが深い主人公の後の姿なんて書きたくない、ってのもあるそうですが、戦いにおいて名を上げた者は、平和な世の中では力を持て余すんですよ。
政治をする人達からしても目の上のタンコブになりやすいし。

特にこのゴーストオブツシマでは、「お侍の戦い方じゃない」やり方をする冥人ですから。

ならばこのエンディングのように、光の中へ旅に立ち、その後は誰も行く末を知らない。
ただ、各地にその人を思わせる伝承のみが伝わっている、みたいな方が、綺麗で良い終り方だと思うんですよ。

……まあ、ゲーム的な都合で普通にクリア後も遊べるんですけどね。
某ニーアみたいな、セーブデータ消さないと真エンド見れない、みたいな仕様はないです。

しかも、再開後は見たこともないような掘っ立て小屋の中から始まるんですが、「え、どこコレ! まさか、クリア後限定の拠点マップ!?」と思ったら、普通に仁くんの実家の近くでした。

いや、身を隠せるような地形がある、ってんなら良いけどさ。
せめてこう、もうちょっと秘境的なとこに行けなかったのか。

まあ、残念ポイントというより、最後までかなりシリアスだったストーリーから一転した、ちょっとしたユーモアのように受け止めましたが。

つっても、この段階でトロフィーコンプリート、その後の漫遊で収集要素も全部集めたので、やることはもう無くなりました。

思えば、2週間でパッパッと終わってしまいましたが、これくらい颯爽と終わる方が、サムライものとしては気持ちが良いかなあ、と。
結構辛いイベントとかあったから、最初からプレイとかしなさそうだしね。


総評というか、感想としては、面白いゲームだった。

序盤は刀での戦闘に慣れなくて悪戦苦闘だったけど、やり方を覚えて勝てるようになってくれば面白い。
そして、続けているといつのまにか割と戦闘も得意になってくる。

そういうアクションゲーム的な面から見てもオーソドックスで良かったし、なにより良かったのはやっぱりシナリオ。

ファンアートでネタにされるくらい、登場人物のほぼ全員が誰かしらに依存している印象でしたが、それも終わってみれば、このゲーム特有と見れば良い面として見れると思います。

難を言うなら、ちょこちょこ起こる挙動のバグですね。
ボクが体験したのだと、崖登りをしている時に謎の超ジャンプをしたり、回避をしたらその先にいた敵キャラの背中になぜか乗ってしかもお互い一瞬手を出さないという、お前ら仲良しかみたいな雰囲気になったりしてましたけど。

その辺しか目につかないくらい、楽しめるゲームだと思いました。
他の人のレビューも見てみたいなあ。


とにもかくにも、こんな素晴らしいゲームを作ってくれたサッカーパンチと、この作品を手に取る事ができた時代に感謝をしながら、締めようと思います。


そんな感じで。

最初はブ男と思っていた仁くんが、いつのまにかイケメンに見えてきて、人の感覚って恐ろしいな、と思いつつ、今日はここまで。

 
カテゴリ: ゲーム:ゴーストオブツシマ

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