短編小説

□とらドラ短編
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ガゴーン!!

櫛枝「いっえ〜い!」

見事なストライク!櫛枝が『どうだ!』という自慢なピースをアピールする。

北村「おお〜!ソフトボールだけじゃなく、ボーリングもエースだな」

高須「凄いな。スタートからいきなりストライクなんて」

今日は友達…四人とボーリングを遊んでいるんだ。ただ楽しませるための日である。

櫛枝「えへへ。さて、次は北村だね!」

北村「お、俺か。さてと」

ゆっくり立ち上がり

北村「俺もストライクするか!」

軽く肩を振り回してボーリングボールの穴に指をはめる。

櫛枝「頑張れ〜!」

高須「必ずストライクしろよ」

大河「が…がんば…」

大河が北村に「頑張れ〜」と応援しようと思ったが、恥ずかしくて言えない。

実は大河は北村の事が好きだ。だから緊張しすぎてはっきりと言えないなのだ。

北村「おう」

北村は明るい笑顔を答えたら大河が顔を真っ赤になってしまった。

高須「はあ…(ダメだこりゃ)」

北村が大きく振りかぶって…無駄もないフォームだった。そのまま振り下ろしー…

ガゴーン!

コン…コン…

ピンを倒れたのは9本だった。

北村「ああ、あと1本かよ〜」

高須「ははは、どんまい。まだスペアがあるよ」


櫛枝「だね」


カン!

1本か…これは慎重に行かないとスペアをゲットできないな。

北村「よーし!」


ブン!

無駄もなくズレもなく真っ直ぐ1本に向かって…当たった。


北村「よしっ」


櫛枝「ナイス〜」


高須「二人ともって本当に上手いな…」

ボーリングボールを持って投げる準備に入る。

まず…真っ直ぐ投げるのが大切かな。


それが俺として基本だ!


高須「よしっ!いくぞ!」


フォームを入った。

ちょっと固すぎてぎくしゃくなフォーム。


でも、上手く真っ直ぐ投げる事が出来た。







しかし、投げた先にすぐガターへ。


高須「…」


北村「いきなりガターか」


櫛枝「どんま〜い」


高須「…(ガクッ)」


いきなりガターとは…高須としては恥ずかしくて落ち込む。


大河「へた〜」


大河がにやにやと笑っていた。


高須「ぬぅ…!こ…今度こそスペアだ!」


櫛枝「スペアゲットだ!」


高須「お…おうよ」


好き…いや、大好きな櫛枝が応援させてくれた。だから頬を赤くなってきた。


よし、ここはかっこよく決めないと!


ボーリングボールをしっかり持ち、10本のピンに睨みながら頭の中でスペアスペアと念じる。


高須「よし!」


ゆっくり大きく振りかぶって…


高須「うりゃっ!」


投げた!

ガゴーン!










大河「ふふ、竜のくせに倒したのはたった1本だけなんてまだまだね。」

大河がボーリングボールを持ちながらフフンと威張っている。まだ投げてないのに自分の事を勝ったと思っている。


高須「はいはい」


毎日毎日こういう大河だからもう慣れてる。


大河「さて、いくわよ!」


大河がボーリングをやるのが慣れているみたく、無駄がない美しいフォームだった。


櫛枝「おお〜!ストライクいけるかも」

まるでプロみたい。そのまま振り込んだ。

ストライクか!?と思ってた皆が




鳩が豆鉄砲を喰らうようになっていた。




歩いているカメのようによれよれ転がっていた。

そして…

10本のピンの所に辿り着けず、ガターへ。


大河「…」


皆が沈黙。


大河「今のは本気ではないからね!」


ビシッと三人に指をさして来た。


三人共同士で首を頷いた。


大河「次は本気よ!みてなさー!」


ガコン!

第2投は…レーンを乗る前でガターに乗ってしまった。


つまり、1本も倒してないってこと。


大河「…こ…この」


やばい、大河が爆発寸前に近付き始めた!三人共が爆発させないよう、フォローをする



櫛枝「どんまいよ!次があるよ!」

北村「うんうん。リラックスな」

大河「…」

大河は爆発せずに落ち着く事にした。

三人共が胸を撫で下ろした。

櫛枝「次はあたしね!目指せストライク!」

ガゴーン!

櫛枝「ありゃ、1本残ってしもうた〜!」

北村「すごいな…あと少しでストライク…」

櫛枝「よし、いくわよ!」


投げたボールがスピンをかかっていた。綺麗に右へ曲がって行く。そのまま…

ガゴン!

見事にスペアゲット。

高須「おお、凄いな」

大河「やるね…」

櫛枝「ありがとう」

北村「よし、俺の番だな」



北村がストライクを出る事が出来たら櫛枝と近付く事が出来るかも。


ガゴーン!!


北村「…え」


北村が信じられないものを見た。

それは…最後尾の左右ともに1本ずつピンを残っていた。

北村「あと2本!てつうか無理!」

櫛枝「あらら〜、ドンマイ」

高須「うわ…」

北村「ぬぬぬ…えい!」

運任せで投げて見たが、ピンとピンの間に通ってゆく。

北村「あ〜、こりゃ無理だ!」

櫛枝「ははは」

そのままに行くと櫛枝がトップになるかも。

高須「なあ、どうしたら真っ直ぐ投げられる?」

高須が上手く投げたいのでアドバイスを求めていた。

北村「それはこうだよ」

櫛枝「こう」

二人共が説明するより、身振りを教えてくれた。

二人共は説明するより体を教えてやったほうがわかりやすい。


高須「えと…こう?」

何となく二人共と同じようにフォームをやってみたら。

櫛枝「そうそう、それでいい」

なんか櫛枝が監督みたく見えた。

…もうかよ!?まあ、とにかくやってみる。

高須「よし!」

投げる準備に入れー…。

大河「無理無理よ」

高須「はいはい」

大河がいきなりムリムリと言われてきたが無視。

まずは集中するんだ。目的は10本の前のピンに当たること!

高須「よしっ!」

教えてくれたフォームを上手く利用して…投げた!

お、真っ直ぐする事が出来たが、10センチくらい右にそれてしまった。

大河「ふっ」

まだ終わってないのに大河が勝ったみたく威張っていた。

高須「ああ…」

ストライクするのが出来ない思われてしまった高須がガックリしようとしたら…

ガゴーン!

高須「ん?」

1本を残っていたが、他のピンが勢いよく空中に飛んで…残っていた1本を当たって倒した。

つまり…

高須「す…ストライク?」

信じられないけどこれは現実だ。

高須「〜!!いやったぜ!」

嬉しくあまり叫んだ。

北村「よくやったぞ」

櫛枝「おめでと〜!」

奇跡的なストライクの感動でワイワイと騒いだ。

ザワッ…

高須「!?」

味わった事がない邪悪オーラを感じた。どこから出て来ているか?

それは大河だ。

大河「…」

目がやばいほど睨んできた。

高須「えと…これは遊びだ。だから…気にならなくてもいいから!」

なんとかごまかそうとしたけど、大河が静かに立ち上がり、レーンへ。

大河が高須をすれ違うところに

大河「わかってるわよ…」

あれ?なんか大人しい?おかしいけど、まあ一安心…

大河が投げる番だから見守るために見ようっと振り向いたら…。

だが、一安心じゃなかった。

高須「ちょっ!」

大河「うりゃぁ!」

信じられない景色を見てしまった。
大河が投げた物はボーリングボールではなく木刀。

っつうかどこから出てきたんだよ!?

木刀をそのまま10本のピンへ…

バキーーン!!

大河「どうだい!ストライクだぞ!」

確かにストライクだった…。しかも10本の中に5本がゴナゴナなってしまった。

店員「ゴルアァー!」

櫛枝&北村「おっと、そろそろ部活なので後は任したぞ」

櫛枝と北村が風の如くに出口へ。

高須「…え(ア然)」













店員「…はい、弁償してもらいます。これ」

店員からの紙を受け取ってすぐに見る。

0が1、2、3、4…

ぎゃー!!



















 

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