姫 時々 王子

□1! 「そうか、ならいい。有難う、助かった」
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1! 
「そうか、ならいい。有難う、助かった」















「うっわ・・・・・混んでるな・・・・・」


 1人の少年ともとれる外見をしている少女が、顔を顰めながらそう呟く。





 此処は、キングズクロス駅の9と4分の3番線。
 変な名前のホームだ、と誰もが思うであろう。
 だが、ここに集まる人々が皆魔女や魔法使いだと知ればそんな疑問も吹き飛んでしまうに違いない。
 

 9と4分の3番線に止まっている紅色の蒸気機関車。
 この汽車に乗るのは、ホグワーツという魔法魔術学校に通う魔女や魔法使いのみ。
 その為、魔法界とは全く関係の無い人間――――魔法界では“マグル”と呼ばれている――――は、
 ホグワーツどころかこのホームの存在すら知らないのだ。

 それもそのはず、9と4分の3番線は少し特殊な場所にあるのだ。
 キングズクロス駅の9番線と10番線の間の柵、そこがこのホームへの入り口である。
 恐らく魔法界の人間以外は誰も知らないだろう。






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