小説
□待つ人は
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マキはボーと毎日を過ごしていた。
嵐のような夜を過ぎ、日常に戻った彼女は、一度たりとも自分を好き放題貪った男、坂本ジュリエッタの見舞いには行っていない。
「ふぁ〜〜〜」
女子とは思えない大きなあくび。
ふと、時田君はどうしただろうと考える。
あのバトルロイヤルから、彼は学校へは来ていない。
「マーキちゃん帰ろう!」
ユウ、みちる、蓮華の三人が誘いに来た。
だが、マキは嬉しかったが、それを断った。
「ごめん、今日は寄る所があるんだ」
「え?ストリートファイト?」
「見に行くー」
「蓮華!マキちゃん、大丈夫なの?しばらくダルそうにしてたけど・・・」
マキは数日程前に、ギシギシと体が軋んでいた。数日程、体がいう事を利かなかったほどに。
「うん、大丈夫。たまには運動したいし。ちょっと遅くなるかもしれないしね」
やだ、私ウソついてる・・・
友達にウソをつくのは初めてだ。
マキは心の中で闇を見ていた。こうも簡単にウソがつけるのか・・・どこまでも汚いな・・・。