小説

□待つ人は
1ページ/3ページ

マキはボーと毎日を過ごしていた。

嵐のような夜を過ぎ、日常に戻った彼女は、一度たりとも自分を好き放題貪った男、坂本ジュリエッタの見舞いには行っていない。

「ふぁ〜〜〜」

女子とは思えない大きなあくび。

ふと、時田君はどうしただろうと考える。
あのバトルロイヤルから、彼は学校へは来ていない。

「マーキちゃん帰ろう!」

ユウ、みちる、蓮華の三人が誘いに来た。
だが、マキは嬉しかったが、それを断った。

「ごめん、今日は寄る所があるんだ」

「え?ストリートファイト?」

「見に行くー」

「蓮華!マキちゃん、大丈夫なの?しばらくダルそうにしてたけど・・・」


マキは数日程前に、ギシギシと体が軋んでいた。数日程、体がいう事を利かなかったほどに。


「うん、大丈夫。たまには運動したいし。ちょっと遅くなるかもしれないしね」


やだ、私ウソついてる・・・


友達にウソをつくのは初めてだ。
マキは心の中で闇を見ていた。こうも簡単にウソがつけるのか・・・どこまでも汚いな・・・。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ