番外編
□いつかではなく今を選んで
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「お前ってさ、将来の夢とかあるわけ?」
俺がそう尋ねると、##NAME1##は顎に手を添えてうーんとうなった。
そんな仕草のひとつひとつがいちいちかわいくて、自然と笑みが浮かぶ。
『そうですねぇ…カ○コンとかスク○ニに就職したいですね!』
笑顔でそう言った姿は文句なしにかわいいんだけどね。
なんて言うかまたゲームかよって感じ。
まぁらしい回答だと思うけど。
予想できたはずの答えなのに少しがっかりしてる自分がなんとも情けない。
何期待してたんだか。
『――っていうのは冗談で…私、ゲームは作りたいとはあんまり思ってないんです。本当は、ステキな旦那さんのお嫁さんになることです』
今なんつった
お嫁さん?
こいつ、人の気も知らないで勝手なことばっかりいいやがって。
ニコニコ笑ってる##NAME1##にいつものように憎まれ口のひとつでも言ってやろうと思ったら。
『まぁ、でもはそんなこと言ってられないですよね。今は私、ツナさんたちで手一杯ですし』
ふわりと微笑んでいうから、なんだかそんな気も消え失せた。
「…そう言うことはきちんと仕事こなせるようになってから言え」
ほんと、お前にはかなわないななんておもいながら、緩んだ顔を見られないよう彼女に背を向けた。
いつかではなく今を選んで
お題提供:空想アリア