番外編

□パパ!しりとりしる!
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「パパ!しりとりしる!」

舌足らずな愛娘が瞳をキラキラさせて俺の裾を掴んでそういった。ああもうかわいいったらありゃしない。母親に似てよかったな。

「いいよ」
「じゃあね、わたしからね!しりとりの、りからだからね!りんご!」
「ごま」
「まま!」
「ま…マイペース」
「まいぺ…?」
「ああ、わかんないか、ごめんね。じゃあ迷子」
「ご…ごくでら!」
「(呼び捨てか…)ら、ラジオ」
「お…?お…」

うーんと唸って考え込んでる姿もかわいいんだけど、おってそんなに難しくないような気がする。でもまだ幼稚園にも通っていない子供のボキャブラリーなんてそんなものなのかもしれないな。そんなふうに和やかに待っていると、急にパッと顔を輝かせた。

「おうまさん!」
「あ…」
「…ん、ついちゃった…」

眉をさげてションボリとした。これはこれでかわいい。普段からうさぎさんだとか、くまさんだとか、動物の名前にさん付けて呼んでいるからなぁ。

「…おうましゃん…」
「さん、はしりとりではつけなくていいんだよ」

悲しげにしているので頭を撫でて救済策をさずけてやると目を真ん丸くして

「パパすごーい!」

なんてよろこんでいるのが、また可愛かった。




(綱吉顔……デレデレしすぎじゃないのか)

物影から見ていた彼女は、そう思っていたのだけれど。





ブログに以前載せていたものです。





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