トワエモア

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* * *





いれた紅茶と、さっき廊下で会った使用人に頼んで貰ってきたスコーンを二人に出す。

「ありがとう」
「助かる」

私もソファに腰を下ろすと、自然と息をついていた。

「いやー、本当に依織がいてよかったよ。二人じゃやばかった。優秀な部下がいて助かる」

雲雀さんは、まずボンゴレの事務は手伝わない。
自身で組織つくってるからそんな暇あったらそこで使うだろうし。
骸さんも手伝わない。
笹川さんと山本さんは任務で外出、ランボさんは学校があるし。
そんなわけで三人だけだったのだけど、そう労ってもらえたらやり甲斐もあるし、うれしい。

『ありがとうございます』
「こちらこそ。あ、そういえば、ずっと忙しかったけどこれでしばらくは大分暇になると思うから」
『そうなんですか?』
「ああ。毎年この時期は仕事なくなるんだ。何か事件でもなければ」
『確かにスケジュールも前ほど詰まっていませんね』
「事務も落ち着くから長期休暇とりたいなら今のうちな。隼人もたまには旅行でも行ってきたら?」
「いえ、俺には右腕として10代目のお傍につかえるという大事な役目が…」
「ほんっとクソ真面目だな」

笑顔のままさらりと言う沢田さん。
獄寺さんは全然気にしていないようだ。
右腕がどうのこうのと語っているから聞こえてないのかもしれない。

「……そういえば、依織の歓迎会とかやってないよな。やるか。今更って感じは否めないけど」
『とか言いつつただ宴会したいだけだったりします?』
「な…っ!」
『エスパー!?すげえ!みたいな顔やめてください。最近沢田さんの考えそうなことがわかるようになってきただけです』
「右腕は譲らねぇぞ!」
『急になんですか。あなたまで何を言ってるんですか』

私ってツッコミ役なのかなと最近疑問に思う。
獄寺さんって沢田さんが関わると本当に目の色変わるしなぁ…。

「まあまあいいじゃん。たまには」

沢田さんはケータイを取り出すとあちこち連絡をし始めた。
どうやら決定事項らしい。







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