トワエモア

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ボンゴレに来てから早いことに3週間。
仕事にはなれたし、ボンゴレの皆さんとも結構打ち解けることができたと思う。
まあ相変わらず沢田さんは怖いし、六道さんなんかは壁を感じるけど。
そのうえ獄寺さんには沢田さんの右腕がどーのこーのと妙なライバル視もされるようになったけど…。
でも、ランボさんはなんだか懐いてくれたような気がする。
山本さんと笹川さんはいい同僚といった感じで仲良くできてるし、アメリアさんや他の使用人のひとたちともうまくやってる。
リボーンさんはよくわからないけど紳士だし、概ね順風満帆だ。

山本さんのところから書類をあずかって沢田さんの執務室に戻ると、沢田さんは机に突っ伏して眠っていた。
窓から差し込む日光できらきら輝いてるようにみえる色素の薄い髪の毛は地毛だと以前言っていた。
なんだか柔らかそうで触ってみたい衝動に駆られるけど、ぐっとこらえる。
そんなことをしたのがばれたらこの腹黒に何を言われるかわかったもんじゃない。
本当、黙って寝てれば目の保養になるくらいの美形なのに、どうしてあんなに黒いんだ。

机に持っていた書類を置いて沢田さんに近づく。

『さっさと起きて仕事してください!寝てる暇ありませんよ!』

パチッと思いの外早く開いた両目と目が合う。
沢田さんはすぐに起き上がるとジト目を向けてきた。

『何ですか』
「もっと他に起こし方ない?」
『知らないです』
「普通キスしてみるとかさぁ、」
『上司の寝込みを襲う趣味はないんで』
「チッ、つまんねー。寝たふりしなきゃよかった」
『しかもフリですか』

沢田さんは結構変なことをする。
私をからかいたいんだと思う。
私は鬱憤晴らしにちょうどいいのかもしれない。
いってて悲しいけど。

「そういえば、今夜長期任務に行ってた幹部が一人帰って来るよ」
『急ですね』
「いや、単に言い忘れ」
『ちゃんとしてくださいよ』
「は?」
『すみません調子にのりました』

毎度不思議に思うけど、どうして笑顔なのに怖いんだろうね。

「骸の相棒っていうか腹心みたいな子なんだ」
『六道さんの…』
「二人で守護者やってるからさ」

山本さんにもらったマフィアの入門講座でいろいろ勉強したから、ボンゴレのことも今はいろいろわかっている。
もちろん、守護者の何たるかも。

『子…ってことはもしかして女性ですか?』
「うん」
『私、挨拶したいです、是非』

ボンゴレ幹部で女性なんて初めてだし、是非お近づきになりたい。






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