大きなビルの屋上に黒い影が三つ。そのうちの一つはフェンスを越えて屋上の縁のギリギリに座り込み隣のビルをじっと観察していた。『…うーん、五人…いや六人かな』「確認できる範囲ですよねー?」『うん。他に客になりすましてる奴もいると思う』「オッケー。さっさと行っちまおうぜ」『了解』残り二人がフェンスを乗り越えた後、女は目深に被っていたフードを外した。金色の髪が夜空に輝く朧月夜に照らされる。『…派手にいきますか』