変人カノジョ
□1.目の毒
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広い部屋の中、ザンザス以外のヴァリアー幹部のメンバーを机を囲んで座る。
任務についてスクアーロが説明しているが、みんなあんまり聞いていない。
これもいつものことで、つまり彼等は適当だ。
セイラは組んでいた脚をくみかえた。
ミニスカートから白くしなやかな足がのぞく。
視線がそこに集まるのも気にせずセイラは欠伸をした。
「セイラセンパーイ、見えそうで見えないチラリズムはやめてほしいですー。目の毒だと思いまーす」
『えー?見なきゃいいじゃん』
「しししっ目に入るんだよ。目の前にいるんだし」
「そうよねぇ…セイラは女の子なんだからもう少し気をつけた方がいいわよ」
『あー差別だ差別ー。ルッスーリア、それは男女差別だよー?それに私は好きでこんな格好してんじゃないし。ルッスーリアが前、せっかく女の子なんだからスカートはけっつったんじゃん。長いと動きづらいんだよ。私も皆と同じにしろ』
「俺は反対だ」
「レヴィはセイラの脚が見たいだけだろ。ムッツリきもちわりー」
『あーめんどい、いっそ脱ぐか、チラリズムじゃなく丸見えならいいのか』
「センパイ、そういうことじゃないと思いまーす」
『それにさ、私よりもっと目に毒なやついんじゃん』
「レヴィせんぱいのことですかー?ある意味目に毒ですねー」
『レヴィは顔面凶器だもんねー』
「なっ!?」
レヴィは二人の言葉にダメージを受けいじけはじめたが、このメンバーでレヴィを助けようなんてする人がいるわけもない。
「で、誰だよ、セイラより目の毒なやつって」
『ベル、あんただよ』
「ベルのどこが目の毒なのよ?」
『私はベルの鎖骨がエロいと思います!!!』
セイラは勢いよく右手を挙げてそう言った。
「まさかのベルセンパイですかー」
「当たり前だろ。だって俺王子だし」
「王子(仮)がなにいってんですかー」
フランの言葉にプチんときたベルフェゴールがフランにナイフを投げる。
みごとカエル頭に刺さった。
そのままいつものように二人の乱闘がはじまった。
ルッスーリアはセイラってばマニアックねぇなんてのんきに呟き、レヴィはまだ落ち込んでいる。
ことの元凶のセイラは欠伸をしてつまらなさそうに騒動を眺めていた。
「…う゛お゛おぉい!お前らいい加減にしろぉ!」
本来の主旨である任務の説明を全く聞いていないやつらにとうとうスクアーロがきれた。
『そんなにカリカリしてると禿げるよー。あ、もしかして…ストレスで白髪に!?』
「これは銀髪だぁ!」
『ふざけただけじゃーん』
「ったく…いいかお前らぁ!!よくきけ!」
スクアーロがまた任務について説明をはじめる。
『私は一応ちゃんと話聞いてたからちょっと抜けるねー。すぐ戻ってくるから』
セイラがドアから出ていく。
本当に自由なやつだなぁと皆は思ったりした。