落下してすぐ、下の方に微かに明かりが見えた。着地地点には特にトラップもなさそうなのでセイラは難無く床に着地する。途端に鼻をかすめる懐かしい匂いに目を伏せた。「よく来たな」『何を言ってるの。あなたが呼んだんでしょう、お師匠様』パソコンの前で椅子に座ったままの彼がゆっくりとこちらを振り向いた。「懐かしい響きだな。だが、もう破門したのだから師匠などと呼ぶな」彼は、昔と変わらない雰囲気と口調で言った。『…そうね、ヴェルデ博士』アルコバレーノ・ヴェルデ彼が私の元師匠だ。